看護師の派遣期間と法律がワカルページ
看護師派遣の中で最も大切な法律は労働者派遣法という法律です。
この法律により、看護師の派遣期間は最長3年間と定められました。
最近ではこの労働者派遣法が改正が続き、さらに派遣は働きやすさを増しています。
そのヒミツについてご紹介していきましょう。
看護派遣業界を大きく変えた!労働者派遣法を知ろう
そもそも労働者派遣法ってなに?何のために必要なの?
派遣者の福利厚生や働き方についての決まりが細かく明記されています。昭和60年に厚生労働省により作成された法律であり、派遣環境を大きく変えるきっかけとなりました。時代に合わせ、何度も改正が行われています。
近年では平成24年、平成27年に改訂され、看護師派遣業界にも大きな改正が行われました。
よく混同されるのが、労働基準法です。
こちらは派遣や正社員を問わず、すべての働く人に対するものです。
ところで、なぜ労働者派遣法が存在し、改正が行われるのでしょうか?
それは一時、問題となった派遣切りから始まりました。
不景気になれば、真っ先に切られるのは派遣社員です。
そんな不安定な派遣社員の権利を守るため、労働者派遣法が作られたのです。
ちなみに、この労働派遣法は平成24年、平成27年に大きく改正されました。
労働者派遣法では基本的に、労働者派遣法では病院や診療所などの医療関連業務の派遣は、適用除外業務となり禁止されています。
看護師の派遣紹介サイトがたくさんあるのに?と不思議に思ってしまいますね。
実は、例外で認められている場合があるのです。
そんなややこしい労働者派遣法について、解説していきます。
労働者派遣法で看護師派遣が認められている条件とは?
労働派遣法はすべての看護業務の派遣を禁止しているわけではありません。
いくつか例外があるのです。
まずは、労働者派遣法が当てはまらない例外から見ていきましょう。
労働者派遣法で看護師派遣が認められている派遣のケース
労働者派遣法で認められているのは以下のケースです。
①紹介予定派遣
②社会福祉施設等の施設での業務
③産休・育休・介護休中の看護師の代替業務
この3つの場合は労働者派遣法に抵触しない派遣とされています。
派遣社員が必要な状況と判断され、例外として認められているのです。
無条件に認められている派遣なので、安心してくださいね。
①紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは派遣期間が終了した後、本人と派遣先の企業の双方が合意すれば社員になることができる派遣です。
派遣期間は最長で6ヶ月になります。
試用期間として6ヶ月以上を派遣社員として雇用し、双方の合意で就職をすることを目的としています。
そのため、労働者派遣法の適応外とされています。
派遣とは言え、将来的には社員になることを事前に約束されたような雇用形態となります。
最近ではこの紹介予定派遣に力を入れている派遣会社も多いです。
②社会福祉施設等の施設での業務
社会福祉施設行われる医療業務については看護師派遣が可能になります。
社会福祉施設とはどういった施設なのか、その例をご紹介します。
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・デイサービスセンター
・介護支援センター
基本的に介護施設などの派遣は労働者派遣法適応外とされています。
ちなみに、労働者派遣法で看護師派遣が禁止されている例は下記になります。
・病院
・診療所
・助産所
・介護老人保健施設
・医療を受ける者の居宅
ただし、これらの職場であっても、紹介予定派遣などに分類されている場合は看護師派遣が認められています。
社会福祉施設では常勤で看護師を雇用することが少ないという実態があります。
そのため、派遣看護師を必要としているとみなされているのです。
③産休・育休・介護休中の看護師の代替業務
産休や育休などの欠員補充のための派遣採用です。
これら期間の看護業務は派遣で代替を済ませても良いと決められています。
産休などは必ず半年や1年という半端な期間の欠員がでてしまいます。
そこで、一定期間の補充を目的としているため、適応外と認められています。
以上が看護師の派遣でも労働者派遣法に抵触しない派遣になります。
労働者派遣法の改正で看護師派遣はどのように変わった?
看護師に帯する労働者派遣法は平成24年10月1日、平成27年10月1日に改正されました。
それでは、どのように改正されたのか特徴的なものをご紹介します。
単発や日雇い派遣は原則禁止 ※ただし例外あり
こちらは平成24年10月1日の改正により改正された内容です。
雇用期間が30日以内の日雇い派遣は、その責任の所在というところ労働者を守るという視点から原則禁止となりました。
派遣会社・派遣先のそれぞれで雇用管理責任が果たされておらず、労働災害の発生にも繋がっていたということが原因と言われています。
ただし、この改正には例外があります。
このような例外条件がいくつかあります。
どれか1つでも当てはまれば30日以内の日雇派遣が認められるのです。
その中で当てはまりる方はこちらになります。
・60歳以上の人
・副業として日雇派遣に従事する人
・雇用保険の適用を受けない学生の人
・主たる生計者でない人
このように考えると、多くの単発の派遣志望の方はこの内に入るのではないでしょうか。
そのため、あまり気にしなくても良いと考えておいて良いでしょう。
ただし、こういった法律の面に関しては、転職する際に各会社で登録を行う場合必ず確認されますのでご注意くださいね。
看護師の派遣期間は最大3年間に固定された
冒頭にも紹介したとおり、平成24年10月1日より労働者派遣法改正が施行され、看護師の派遣期間は現在最長3年(終期設定がなされていない場合に限る)とされました。
これは、雇用安定の措置に加え、正規雇用を促すために設けられた制度になります。
この制度により、派遣社員から直接雇用にランクアップした看護師さんが昔にくらべ増えました。
結果、無制限の時にくらべて、正職員へのチャンスを与えられるようになった>のです。
看護師派遣のキャリアアップの支援にも繋がっています。
さらに、期間が3年と定められたことで、長く働けるようにもなりました。
今までは1年間で切られていた派遣社員も3年までは容認してくれる雰囲気になりつつあるようです。
ただし、中には3年で否応なしに切られてしまうと懸念する声もあります。
そのため、派遣社員として働く時は居心地のよい派遣先であっても最長3年で他を探さなければならないことを念頭のおく必要があります。
1年間で最低8時間以上の研修を有給で受けられる
こちらは平成27年10月1日より改正された派遣社員に対するキャリアアップ推進の規定です。
過去の労働派遣法には派遣社員の研修制度における内容は記載されていませんでした。
それは、派遣社員=即戦力であり教育の研修を受ける必要性はないと見なされていたからです。
しかし、この決まりにより教育研修を受けさせてもらえるようになりました。
もちろん、お給料が発生しながらの研修になります。
派遣の仕事でも実力や知識、経験を身につけられるようになったのです。
勤務先の職員の給与分の保証がなされるようになった
こちらも平成27年度の派遣先・派遣元の両方に対する均衡待遇の推進で行われた改正です。
派遣社員の給与を派遣先の給与と同等にすることを保証するといった内容になります。
これを受け、派遣の給与が見直されるようになり、時給が上がるなどの効果を得られるようになりました。
派遣の時給が高くなったのは、この改正のおかげもあるようです。
また、均衡待遇の推進が図られたことにより、給与以外にも待遇や仕事内容なども職員に近くなるように変わることとなりました。
そのほか、派遣元が派遣社員のヒアリングを行う推進などもあり、職員と変わらない待遇や職場環境が実現できるようになっています。
こうして、「派遣社員だから」といった偏見のない職場推進が地道に行われています。
以上が労働者派遣法の改正によって大きく変わった内容になります。
以前に比べ、派遣社員の働きやすい環境が整うように変わり始めました。
最近では派遣の斡旋も行える転職サイトもたくさんあります。
派遣会社のみの会社にくらべて転職ノウハウが優れていますので、オススメですよ!
看護師は派遣で働き続けることはできるのか?
看護師派遣として働き続けるには?
このように、以前に比べて法律により守られるようになった派遣社員。
では、看護師派遣として働き続けるにはどうしたらよいのでしょうか?
その方法として3つあります。
短期連続方式|単発や短期を組み合わせて働きつづける
単発派遣や短期(6ヶ月程度まで)の派遣の仕事を組み合わせていく働き方です。
例えば、6ヶ月の契約派遣+休暇は別の夜勤や単発に勤務するなどですね。
短いスパンで勤務し続けるので、その都度転職派遣先を探す形式です。
給与や勤務先がすぐに見つかるのかどうか不安定ですし、仕事が変わるので大変そうに感じるかも知れません。
しかし、健診ナースやツアーナース、イベントナースなどの楽しい看護師のお仕事がたくさん経験できます。
>>ツアーナース、イベントナースってどんな求人?求人や時給、仕事内容をまとめてみた
楽しくて割が良い勤務先が良い!と言うことであれば、宿舎付きのリゾートナース派遣などもあります。
短期の派遣は多くの仕事を体験できる良い機会にもなります。
今までの経験を活かしつつも多くの出会いがあり、たくさんの職場を見ることで社会経験にもなります。
この方法は未婚の方や子育てが終わった方、仕事よりプライベートを重視している方など、比較的時間に余裕のある方にオススメな方法です。
そしてなにより、まだどのような仕事がしたいのか分からない方に一番オススメの働き方ですよ。
更新方式|最長3年の更新で次の派遣先も視野に入れながら働く
派遣の仕事は最長3年まで働くことができます。
そのため、長期で働くことを前提に派遣に行くといった働き方です。
基本的には1年更新の職場が多いですが、最近は看護師が不足している病院が多いです。
そのため、ほとんどの派遣看護師さんが更新している傾向が強いようです。
この働き方のメリットは地に足を付けて安定した働き方ができること。
そして、勤務先の専門的な知識や業務の力が身に付くこと。
さらに、正職員への雇用のチャンスや再就職に有利な点など、なんと言っても雇用面に関して非常に強いことです。
この方式がオススメなのは、次は正職員として働きたいと考えている方です。
派遣期間中に、今後はどのような仕事に就きたいか?を考える時間の猶予があります。
ただし、必ずしも3年間更新してくれるのかどうかは保証されないのでご注意くださいね。
副業方式|常勤をしながら空いた時間を単発で働く
最後は副業として看護師派遣を利用することです。
これは、常勤やパートなど直接雇用で働いている方が派遣を通じて副業として働くといったスタイルです。
メリットは余裕を持って派遣に行くことができる、と言った点です。
急いで仕事を探す必要がなかったり、次の派遣までの期間もきちんと働き先を確保できているといった安心感があります。
ただし、常勤で働く職場が副業に寛容なのかを事前に調べる必要があること。
また、パートで働いている方は扶養範囲内を超えてしまわないか把握しておく必要も。
そして、副業で働く場合は仕事の合間での派遣なので、条件に合った派遣先を見つけなくてはなりません。
単発や1週間などの超短期派遣が中心になってくるでしょう。
最後に、どの働き方にも言えますが、派遣の仕事はいつか必ず転職(もしくは直接雇用への転換)することになるのが前提です。
いつ今の職場を離れるのか、いつ次の転職(派遣)先を探すのかを前もって考えて働く必要があります。
しかし、工夫次第で派遣で働き続けることも可能といえます。
派遣先をたくさん持っていたり、求人情報が豊富、転職や派遣紹介が上手い転職サイトが有利になります。
派遣を成功したいのであれば、まずは転職サイト選びに力を入れましょう!